Vol.227 四国初、愛媛県松山市で発達障害に特化した就労移行支援事業を開始

~働きづらさを乗り越えるためのサポートで、戦力になる人材を輩出~

 

総合人材サービス業のアビリティーセンター㈱(新居浜市坂井町、三好輝和社長)は新会社を設立し、四国で初めて「大人の発達障害」に特化した就労移行支援事業を開始する。

 

2019年12月に開設する事業所は、利用者が自身の強みを見出し、適職を探し、戦力になる人材として仕事に就くことを支援。アビリティーセンターはこれまでも障害を持つ人に対する就業支援を行っているが、発達障害者の働きづらさは、本人、企業の双方から相談される機会が年々増えており社会的意義は大きいと感じている。

事業所は今年8月に設立した新会社「フェアコンタクト㈱」が運営。社長の三好は「利用者の方には “あなたでも”ではなく“あなただから”できる仕事を見つけてもらいたい」と話す。

 

事業所の概要

この事業所は、ハッピーテラス㈱(東京都)が運営する障害福祉事業所「ディーキャリア」にFC加盟。「ディーキャリア松山オフィス」として2019年12月1日(予定)に開所する。

 


大人の発達障害の方のための就職支援

「ディーキャリア」

【運営会社】ハッピーテラス株式会社

〒108-0023 東京都港区芝浦4-12-31

VORT芝浦 Water Front6F


 

場所は、松山市湊町4―2―1のビル3階。広さは約130平方㍍。対象は18~64歳で、障害福祉サービス受給者証を持つ人。定員は20人。

「やりがいを仕事にする」ための専門カリキュラムを用意し、自己分析などを通して自身の強みと弱みを認識、目標を設定する。また、事務作業などの模擬業務や職場体験を通じて適性職種を見つけ、弱みへの対処法も学ぶ。実施後は、履歴書の作成や面接練習で就職を目指し、就職後は相談に応じるなど、職場への定着をサポート(6ヶ月間)する。

 

障害者雇用に関する動向など

発達障害の診断を受けている人は全国で48万人を超えている(※1)。発達障害者の求職者数は増加しているものの、就職率は36%程度(※2)。就職率の水準が低い理由は、コミュニケーション能力や強いこだわり等の発達障害の特性が業務の支障となる場合があること、事業主側の発達障害に対する理解不足などが原因と言われている。

一方、障害者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率、民間企業の場合は2.2%)以上の障害者を雇うことを義務付けているが、半数以上が法定雇用率未達の状態である(※3)。

当社では、就業意欲のある発達障害者と、雇用率アップを目指す事業主をつなぐ役割をはたし、双方の役に立つことを目指している。

 

(参考)

※1 医師から発達障害と診断された者の数(推計値):481 千人

→平成28 年生活のしづらさなどに関する調査(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/seikatsu_chousa_b_h28.pdf

 

※2 平成 26 年度の全国の安定所における発達障害者の新規求職申込件数は2,822 件、就職件数は 1,026 件、就職率(新規求職申込件数に対する就職件数の割合)は 36.4%

→発達障害者支援に関する行政評価・監視報告書(総務省)

http://www.soumu.go.jp/main_content/000458772.pdf

 

※3 法定雇用率達成企業の割合: 45.9%(対前年比 4.1 ポイント減少)

→平成30年 障害者雇用状況の集計結果(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000533049.pdf